２０１７年の高校野球は清宮だけやないで！　早実の怪物こと清宮幸太郎が大注目を浴びる中、高校野球大好き芸人で知られるかみじょうたけし（３９）がフィーバーに“待った”をかけた。打倒怪物に牙を研ぐ清宮世代を独自視点で分析。かみじょう推薦の１７人の球児を紹介する。

　東が清宮クンなら西は履正社（大阪）の左打者の安田尚憲クンでしょうね。あのスイング、打球の速さは久々に見た。２年生で、すでに履正社３年のころの山田哲人（ヤクルト）の成績を上回っている。３年になったらどれだけすごくなるのか。２０１６年の秋季大会も舞洲球場に見に行きましたけど、舞洲って右翼に打っても風で戻されて打球が伸びないんです。なのに彼は場外に打った。トータルで見たら清宮クンの方が上かもしれんけど、飛距離なら上。スター性もあります。

　智弁学園（奈良）で１番を打っている右の福元悠真クンも注目です。近畿大会は準々決勝で大阪桐蔭に負けましたけど、ここぞという終盤に本塁打を打った。大敗したら選抜の選考にも響くところでしたからね。１６年の選抜優勝後、取材で智弁に行ったことがあるんですけど、福元クンはキャッキャしていて、先輩を先輩とも思っていないような、今どきの感じの子でね。でも、新チームのキャプテンになってから心斎橋で偶然会ったら「こないだ取材していただき、ありがとうございました！」って。人格が変わったのかと思った。チームを任されたらこんなになるんですねぇ。

　守備がめちゃくちゃうまいのは、宇部鴻城（山口）の嶋谷将平クン。ショートで肩が強く、球際も強くて、衝撃を受けました。明治神宮大会では初戦で札幌第一に敗れたけど、嶋谷クンの守備が光った。守備でうならされるのって少ない。大阪桐蔭時代の浅村（西武）みたいな感じ。絶対、プロに行きますよ。
　仙台育英（宮城）の西巻賢二クンもセンスいい。小さいけど、ショートで守備がうまく、２コ上の平沢（ロッテ）が一目置いていた。甲子園では１年の時に唯一メンバーに入っていて、東海大相模との決勝戦で代打でヒットを打ったし、大舞台を経験してます。

　日大三（東京）の“デカプリオ”金成麗生（かなり・れお）クンもすごい。秋季大会の日野戦を神宮第２球場に見に行ったんです。右翼側のネットの最上段に突き刺さるすごい本塁打でした。１９３センチ、１０１キロの左打者で体も飛距離も清宮クンに負けてない。本人もライバル意識を燃やしてる。もともと１年で投手をやっていて小倉監督は「すごいのが入った」「この投手で甲子園目指す」と言ってたのに、なぜか一塁手になっていた（笑い）。でも「れお」でデカいからデカプリオって…。

　明治神宮大会は出ていないけど滋賀学園（滋賀）の後藤克基クンという右打者。近畿大会の智弁和歌山戦を紀三井寺まで見に行ったんです。そしたら左翼スタンドのめちゃ高いネットを越えて民家の屋根に直撃弾ですわ。１４０メートルくらい行った。あの打撃はすごかった。紀三井寺で民家の屋根に当てたのを見たんは、中田翔（日本ハム）と中谷仁さん（元阪神）以来。あの辺の家は保険に入ってるんですかねぇ。あと九州学院（福岡）の村上宗隆クンはスケールがでかい左の強打者。慶応（神奈川）の正木智也クンも右のスラッガーですし、甲子園で早実との“早慶戦”を見たいですねぇ。

　投手なら履正社の竹田祐クン。優勝した明治神宮大会でも決勝で清宮クンをポップフライに打ち取った。清宮クンは左投手に弱いと思っていたけど、右でも竹田クンくらいの本格派になると清宮レベルでも打つのは難しいですよ。その清宮クンから東京大会決勝で５三振を奪った日大三（東京）の左腕・桜井周斗クンもいい。コースを間違ったら絶対に打たれる。そこしか投げてこないとわかっていても打てなかったんでしょう。外のスライダーがストレートと同じ腕の振りで来たら「消える」んでしょうね。

　東海大市原望洋（千葉）の右腕・金久保優斗クンもトップクラス。シニアで全国制覇している。映像で見ると、楽天の岸投手みたいな本格派で体も大きいし、伸びシロがある。一番プロに近いんじゃないですか。確実にドラフトにかかりますよ。福岡大大濠（福岡）の右腕の三浦銀二クンは九州大会で初戦から３試合連続完封を含む４試合完投。決勝の東海大福岡戦の７回に３点取られましたけど、３６イニング投げて３５イニング無失点って、とんでもない投手。明治神宮大会で早実に負けたのはどう考えてもスタミナ切れですわ。名前もかっこええですね。

>>2以降に続きます

2017年01月02日 11時00分
http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/baseball/634289/